2024年4月
熊本県八代市
八代オーガニック研究会（レタス）
代表生産者 亀山 直幸さん
産地だより 2024年4月
今回の産地だよりは、熊本県八代市でレタスを栽培している亀山直幸さんをレポートします。
就農のきっかけは？
直幸さんに就農のきっかけについて聞いてみました。「実家は代々、イ草農家でした。大学卒業後、家業をまったく継ぐ気はなくアパレル企業に就職しました。アパレル企業に勤めて5年が経ったころ、父が20年間続けていたイ草栽培をやめてレタス栽培に切り替えることになり、父から一緒にやらないか？と、相談を受け、仕事内容を聞き、安全安心な野菜を契約栽培で販売していること、土づくりにこだわり、食べた人が元気に、明るく、笑顔になれるような野菜を栽培することであると聞き、魅力のある仕事であると確信しました。そのころ結婚も考えていたので、それならと思い就農を決めました。」と、話してくれました。就農したころは、いざやってみると自分の思い通りの栽培ができず失敗の連続だったそうです。
八代オーガニック研究会とは？
父である堅さんがイ草栽培からレタス栽培に切り替えたころ、土づくりにこだわり、有機肥料を施用した栽培で、安全安心な野菜を作ることを前提に部会を立ち上げたそうです。その理念に賛同した仲間の集まりが八代オーガニック研究会です。
モスバーガー店舗には20年以上レタスを出荷しています。現在はキャベツ、グリーンリーフも出荷しています。
現在、父である堅さんは一線を退き、すべての栽培管理、農場経営を直幸さんに任せています。
1.収穫作業を確認する堅さん
2.堅さんとキャベツ畑
八代の環境とは？
八代の環境は冬場でも比較的温暖であり、農業が盛んな地域です。昼夜の温度差があり、レタスの栽培に適した気候です。さらに、球磨川という大きな川があり、きれいな水が豊富にあり、農業に適した環境です。また、八代海に近いことで風が強く、その恩恵で霜が付かず野菜が傷みにくいそうです。
3.八代海（不知火海）に注ぐ球磨川
栽培のこだわりと安全安心の取り組み
イ草の栽培からレタス栽培に切り替えたころから、一貫して有機肥料を施用した栽培に取り組んでいます。また、土づくりにもこだわり、栽培開始前は、毎年土壌分析を行い、土の状態を把握して、土壌に適した肥料や堆肥を散布することで、美味しいレタスが収穫できるように取組んでいるそうです。
そして、6年前に安全安心を明確にするために、GLOBAL GAPを取得しました。
この取り組みは、農業における食品安全や環境保全、労働安全についての認証制度です。
お取引先、お客さまに安全安心な野菜をお届けするだけではなく、一緒に働く従業員の労働環境にも配慮した体制を築いているそうです。
4.レタスの収穫作業
5.コンテナ詰めをする農場長の上田さん
6.畑を耕す農場長の山口さん
株式会社かめやま設立
父である堅さんから八代オーガニック研究会を受け継ぎ、従業員、生産者の人数が増えていく中で、組織としての仕組み作りが必要だと考え、7年前に株式会社かめやまを設立しました。そして、2021年には新しい集出荷場を完成させ、大型冷蔵庫、野菜を芯から冷やす真空予冷機を導入して、これまで以上の品質と鮮度を維持した野菜を安定的に出荷できる体制が整いました。
直幸さん曰く、「私だけの力では、ここまでできませんでした。今があるのは、栽培のこと、農場管理や経営についてアドバイスをしていただいた方々のお陰です。皆さまに恩返しできるように、これからも頑張っていきます。」と、熱く語ってくれました。
現在、直幸さんは代表取締役を務め、奥さまは役員として直幸さんを支えています。堅さんは会長となり、栽培に関しては一切口出しせず、農機具の整備や繁忙期の収穫を手伝っているそうです。
7.新設した集出荷場
8.真空予冷機
9.生産、販売、財務も担当する直幸さんと奥さま
直幸さんからのメッセージ
直幸さんにモスバーガーのお客さまに向けて、メッセージをいただきました。
「私たちが、土づくりからこだわったレタスは、えぐみがなく、食感がよく、食べ応えがあります。また、品質を維持するために、収穫後すぐに真空予冷をかけて冷蔵庫保管することで、美味しいレタスをお客さまに提供できるようにしています。お客さまからの評価が栽培の励みとなり、更なる食味の向上につながっています。ぜひ、心を込めて作った私たちのレタスを召しあがってください。」
八代オーガニック研究会さんのレタスは、4月まで関東、北陸のモスバーガー店舗に出荷されます。ぜひご賞味ください！！
10.八代オーガニック研究会の皆さん
Text by Osako