産地だより 2019年11月

株式会社モスファーム信州

2019年11月
モスファーム代表者会議in長野
長野県小諸市(モスファーム信州圃場視察)、長野県佐久市(会議他開催会場)
株式会社モスファーム信州
代表生産者 山本 裕之さん

今回の産地だよりは、9月26日に開催された、「モスファーム代表者会議in長野」について報告します。株式会社モスフードサービス社長の中村が午前から長野県に入っての圃場視察、また、午後からの場所をかえてからは、モスファーム代表者間での会議、中村の講演、各社の発表、質疑応答などが行われました。
会議には、全国のモスファーム関係者とモスフードのスタッフ40名ほどが集まり、参加者全員にとって有意義な1日となりました。

モスファーム信州の農場視察からスタート

当日はすっきりとした秋晴れ。社長の中村がJR佐久平駅に到着。モスファーム信州の山本代表の出迎えを受け、小諸市内の2つの農場へモスフードスタッフとともに早速向かいました。車中からは、秋の真っ青な空に浅間山がくっきりと映えている景色が見えます。山本さんによると、浅間山の噴火も今のところおさまり、おだやかな山の姿の中、各作業も進められているそうです。
山本さんはこの8月末に、お父さまより、地域の野菜を販売する会社も受け継いだばかりで、また、若手スタッフが働くモスファームとは別の生産会社も経営していることから、今回の中村社長、他のモスファーム代表者との交流は経営者という立場からもとても楽しみにしていたようです。

最初に向かったのは「浅間山を一望するレタス畑」

最初に向かったのは「浅間山を一望するレタス畑」

最初に車が着いたのは、小諸市内の川近くのレタス畑。しばらくすれば収穫という状態で、順調に生育している様子でした。
「こうした畑はお借りしているんですよね。新しく始めるとなかなか貸してもらえないようなことをよく聞きますが、実際のところはどうなんですか。」と中村。
「初めてお借りする場合などは、会社の内容や目的などをていねいに説明します。場所によってはそれでも信頼していただくまでには時間がかかったりしますね。この場所ではすでに何年か栽培していますが、スタッフが畑で作業をしていると、ここ最近、周囲の農家さんが声をかけてくださり、『自分も高齢になってきたので、やってくれないか』というありがたい言葉をかけていただくようになりました。」真面目にずっと作業をしている姿に、地域の中でもいつかは認めていただけるという実際のお話に、中村はじめ同行したモススタッフ全員も熱心に耳を傾けていました。

畑を案内する山本さん(右はし)

畑を案内する山本さん(右はし)

順調に生育しているレタス

順調に生育しているレタス

次の農場は、リーフレタス農場です。

続いて訪れたのは、2015年4月に会社を設立した際、はじめての農場となった場所です。
さきほどの農場から山の方に上ってきたこの畑からは、眼下に八ヶ岳や蓼科山が遠くに見えます。
「この農場は、農場の中では標高が高いところにあるので、夏から秋に季節が移るあたりで収穫が終了します。最初はレタスを植えていたのですが、例年、病害の発生が多く見られ、今ではグリーンリーフやサニーレタスを栽培するようにしたら、ずいぶんと発生が少なくなりました。
「いろいろな工夫ができますね。」と中村。「モスさんのご紹介でモスファーム全体での取り組みとして、防除などを専門家の先生に見ていただいて、農薬の効率的な使用や低減などにも努めています。」山本さんの言葉には、モスファームの取組みをこれからも進めていこうという意気込みと自信がみなぎっていました。

リーフレタスを試食(右より3人目が中村)

リーフレタスを試食(右より3人目が中村)

レタスを栽培していた頃の畑

レタスを栽培していた頃の畑

資材、機材の置き場を視察

視察の最後は、御代田町の資材や機材の置き場です。
「メーカーさんのようにきちんと整理されていますね!」資材保管のハウスに入った瞬間、並び整えられたその姿に中村は思わず山本さんへ言いました。
「もともと5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)については取り組んでいたのですが、ASIAGAP(2019年8月に認証取得)農場として、さらにその取り組みを働いているスタッフ全員で進めてきた結果です。現場で使いやすく、また、事故がおきないようにはどうするのかなども、みんなで意見を出し合いながら今も進めています。」そのあとも、作業用の道具や資材の紛失防止の仕組みについても説明をしてくださった山本さんです。

整然と管理された各種の資材

整然と管理された各種の資材

トラクター運転台に乗る中村

トラクター運転台に乗る中村

モスファーム代表者会議がスタート

続いて会場を佐久市内のホテルに移し、開催地である長野県のモスファームとしてモスファーム信州の代表の山本さんが議長をつとめ、会議がスタートしました。
会場には、全国7つのモスファームの役員や主要なスタッフ、そしてモスフード関係者、今回は合わせて38名が参集しました。
「農と食を通じて人を幸せにしよう」というモスファームの基本方針の唱和のあと、「創業者の教えと私の夢」と題して、モスフードサービスの社長の中村から講演を行いました。モスとの出会い、そして入社から現在にいたるまでの様々な思い出の中で、創業者の説いた教え「アントレプレナー」の意味についてお話させていただきました。「その意味をモスフードサービスの社内では、『自分自身で一生懸命考える、自分自身で意思を決定する、自分自身でリスクを負って仕事をする』と会議前には唱和しているが、それに加えて、『一歩踏み出す(実行)』ということが大切であること、モスファームのメンバーへは、現場視点では「変わる」という想い、意識をもってモスのグループの一員として行動してほしい、そしてこれからも新鮮でおいしい野菜の供給していただきたい」というメッセージを出席者の皆さんへお伝えしました。講演後、会場からは社員とのかかわり方や今後の国内や海外での事業展開などについてなど幅広く質問もあり、モスのグループのそれぞれ一員としての理解、自覚が互いに高まった時間でした。

会議のはじめに基本方針を唱和

会議のはじめに基本方針を唱和

中村社長の講演

中村社長の講演

モスファーム各社の10年後は・・

休憩をはさみ、その後は、各社から10年後を見据えての事業について発表がありました。
各社からは、昨今の異常な気象状況、生産物の単価の下落、若手が今後ベテランになっていく過程で技術の継承や所得向上といった現実の課題環境が提示されましたが、最新の技術の活用、モス供給野菜以外の品目の栽培への挑戦、オフシーズンでの事業、天候リスクヘッジへの地理的な分散・・などなど、多岐にわたる解決策が席上で相互に話されました。
また、モスファーム同士での技術向上や人材育成、さらには、モスファーム本来の目的でもある地域発展への貢献、耕作放棄地や遊休地活用への意欲も参加者から示されました。
また、会の最後には、参加者全員から各社への「応援メッセージカード」も送られ、
「自分の会社に持ち帰り全員で共有したい。」との声もあり、最後まで充実した会議となりました。

各社の発表に聞き入る参加者

各社の発表に聞き入る参加者

農場スタッフからは質問も

農場スタッフからは質問も

全員での懇親会

農業にまじめでかつ熱く取り組む仲間たちが今年も集まり開催した「モスファーム代表者会議」。
今回も会の閉めは、場所を移しての懇親会です。
地元モスファーム信州のスタッフによる乾杯と進行。モスファームすずなりスタッフの飛び入りの余興もあって、いつも以上の盛会となりました。
全国各地から毎年集まってくださる皆さんと、農業のことやこれからの夢などを語り合う時間はとても貴重です。私たちは、「モスファームと協力生産者の皆さんとこれからも日本の農業を応援していきたい!!」と心に誓った夜でした。また来年“元気と笑顔で”皆さん全員とお会いできることを心から楽しみにしています!!

地元スタッフの進行で懇談がスタート

地元スタッフの進行で懇談がスタート

参加者全員で熱く語り合う夜は更けていきました・・。

参加者全員で熱く語り合う夜は更けていきました・・。

Text by Nakayama