2016年8月
熊本県上益城郡山都町
JAかみましきトマト部会(トマト)
佐藤 友治さん
産地だより 2016年8月
今回の産地だよりは、熊本県上益城郡山都町での協力農家さんである、JAかみましきトマト部会の佐藤さんをレポートします。
産地までの道中は、通行止めの箇所があり、震災の跡が未だに残っていますが、そのような状況下でも、所々で「がんばろう熊本」の合言葉が見受けられます。
JAかみましきトマト部会で、就農8年目、31歳の若手である佐藤さんのトマト栽培にかける情熱は、合言葉である「がんばろう熊本」そのものであると痛感しました。
トマト栽培に携わったきっかけは?
佐藤さんが、トマト栽培に携わったのは、佐藤さんの幼少の頃からご両親がトマト栽培をしていたことが、きっかけでした。
ご両親の背中を見て育った佐藤さんは、学校を卒業後、就農への道を選択し、トマト栽培をするようになったそうです。
佐藤さん曰く、「まだまだ勉強中の身で、トマト栽培は難しく大変ですが、自分が育てたトマトの生育状況を毎日確認することが楽しみです。自分の子どもの成長と同じように、これからもトマトを育てていけたら良いと思います。」と、話してくれました。
佐藤さんのトマト栽培の想いは?
佐藤さんに、トマト栽培の想いを聞いてみました。
「トマトが、いかにストレスなく、気持ちよく育つ環境を整えられるか、日々考えながら栽培するようにしています。日射量不足によるストレスが、水、肥料の効きを悪くしてしまい、トマトの生育を妨げ、結果、元気のない、トマトになってしまうからです。」と話してくれました。
また、佐藤さんは、栽培技術を向上させるため、県外の勉強会に意欲的に参加し、勉強会で知り合ったトマト生産者さんや、JAかみましきトマト部会の諸先輩方のお付き合いを大切にしているそうです。
そして、トマト栽培により、地域を盛り上げて、山都町を活性化させることが、佐藤さんの想いであることも話してくれました。
トマト栽培で苦労したことは?
佐藤さんに、トマト栽培で苦労したことを聞いてみました。
「私がトマト栽培で苦労したことは、熊本県の中山間地域(標高500M)で、夏秋のトマトを栽培するということでした。特にこの時期は、梅雨もあり、栽培管理に一番苦労します。梅雨の栽培は、雨が多く、日射量不足によりトマトの水の吸い上げも悪くなり、灌水のタイミングに苦労します。」と、話してくれました。
トマト栽培のこだわりその1
佐藤さんに、トマト栽培のこだわりについて聞いてみました。
佐藤さん曰く、「地上部、目で確認できる部分も大切ですが、地下部、目では確認できない部分である「根」も大切で、特に意識して育てています。土地柄、赤土であり、トマトを栽培するには養分が少ないので、微生物資材(作物が病気にならないように自然にある菌を使って予防する資材)を使用して、地力を強化し、元気の良い「根」を育てています。」と、話してくれました。
地力の強化により、根が元気になることで、地上部が元気になり、トマトが元気よく育ち、たくさんのトマトが収穫できるそうです。佐藤さんは、トマト栽培のこだわりだけではなく、土づくりの大切さも教えてくれました。
トマト栽培のこだわりその2
トマト栽培のこだわりその1で、地下部「根」の大切さについて、話していただきました。
トマト栽培のこだわりその2では、地上部、目で確認できる部分について聞いてみました。
佐藤さん曰く、「地上部は、いかに病気を入れないかだと思います。トマトを病気にさせないためにも、日々の観察と管理が大切で、一日でも早い対応が必要不可欠です。観察、管理を怠ると、病気でトマトの樹すべてが駄目になってしまうこともあります。だからこそ、トマトが元気よく育つように、日々、観察と管理は怠りません。」と、こどもを育てる愛情と同じような想いが伝わってきました。
また、この時期のハウス内温度は50℃にも達し、受粉をしてくれるマルハナバチの活動が鈍くなります。佐藤さんは、着果(果樹や野菜が実をつけること)をよくするために、マルハナバチが入る巣箱を「アグリセクトてきおん君」(巣箱を最も快適な温度にする恒温箱)に入れ、マルハナバチが効率よく活動できるようにしています。
佐藤さんからのメッセージ
佐藤さんにモスバーガーのお客さまに向けて一言いただきました。
「今回、熊本の震災で、一番の被災を受けたのは、JAかみましきの管内地域です。震災以降も、生産者一丸となってトマトを栽培しています。長年培ってきた栽培技術と愛情たっぷりの山都町のトマトをたくさんのモスバーガーのお客さまに召し上がってもらいたいです。」
佐藤さんの深い愛情で育てたトマトを是非、モスバーガーのお店でご賞味ください!!
Text by Osako