2016年6月
群馬県昭和村
野菜くらぶ群馬(レタス)
代表生産者 都丸 悟さん
産地だより 2016年6月
今回の産地だよりは、群馬県昭和村でレタスを栽培している、野菜くらぶ群馬(レタス)の代表生産者、都丸 悟さんをレポートします。
群馬県昭和村は、子持山などの赤城山ろくに広がる村で、レタスやキャベツなどの高原野菜とこんにゃくなどの産地として知られています。村の魅力といえば、豊富な野菜と豊かな自然。上信越の山々を望む雄大な景色に、アユ釣りなどアウトドアも楽しめる魅力一杯の村です。
それでは、都丸さんが農業に携わったきっかけとレタス栽培のこだわりについてレポートします。
レタス栽培に携わったきっかけは?
都丸さんは、昭和村の隣町の群馬県渋川市出身です。元々は東京都内で会社員をされていたとのこと。ただ、都会での仕事に疑問を感じたことと、実家が梅農家であったことから、そのことがきっかけで後を継ぐことを決意されたそうです。
就農するにあたり、レタス栽培の農家さんで研修を受けたそうですが、その時の生産者の方のレタスに取り組む姿勢に憧れを感じ、いつしかレタス栽培を意識し始めたそうです。また、レタス栽培は、過疎地での大規模農園を展開できることも大きな魅力で夢がある産業だと感じたことも就農の後押しだったと笑顔で語ってくれました。
それが、今から4年前のことです。そこから、都丸さんのレタス栽培の生活が始まりました。
レタス栽培のこだわり(1)
昭和村のレタスの収穫は、4月の終わりから始まります。最初に収穫されるレタスは、2月中旬頃に定植(育苗のための苗床や鉢で育てた苗を、最終的に育てる畑に植えかえること)します。その時期は、真冬で生育に必要な温度の確保が非常に難しい時期です。
そのため「パオパオ」という被覆材を、「大事に育てられた苗」に丁寧に愛情を込められながら掛けます。この「パオパオ」は生育に適した温度を保つことで根の活着を促進し、約1カ月掛けられ、レタスが手の平サイズの大きさになった頃に外されます。このタイミングを逃すと、「タケノコ球」などの生育障害を起こしてしまうので、都丸さん曰く「パオパオを外すタイミングや温度が上がりすぎるといびつな形のレタスやきちんと結球しないレタスになってしまうため、3月下旬の暖かくなる時期はかなり気を使います!」とのこと。しっかりした栽培管理のおかげで、形のよい結球レタスが収穫されるのだと感心しました!
また、施肥にもこだわりを感じました。「元肥だけだと、どうしてもレタスの味や艶に物足りなさを感じる」と都丸さん。プラスアルファが欲しくて、生育状況を見ながら「微量要素」と「マグネシウム」を加えると言っていました。これにより、「健全な生育+葉に厚みがあって艶があるおいしいレタスが栽培できます!」と熱く語っていただきました。
レタス栽培のこだわり(2)
レタスの品種選定にもこだわりを感じました!都丸さんのレタスの収穫期間は、4月終わりから11月中旬までの予定です。その間、栽培する品種は、なんと!全部で12品種にのぼります。様々な品種を栽培することにより、リスクヘッジを図り、安定供給を実践しています。特に、夏場や梅雨時期は栽培も厳しく、この時期に強い品種を取り入れ、難しい栽培期間を乗り切ります。また、品種選定の際は、必ず「根腐れ病」対策に力を入れている品種を選んでいるそうです。ちなみに今回案内していただいた圃場には、「パスポート」という品種が栽培されており、こちらも根腐れ病対策に力を入れている品種だと説明していただきました。
このように計算された品種選定スケジュールがあるので、レタスの供給が途切れることなく毎日お店に届くとのだと感心しました!
また、畑の土にも細心の注意を払っています!都丸さんの圃場では、レタスの収穫が終了した冬場に必ずどの圃場でも「土壌分析」を行います。「土壌分析」を行うことにより、作物を栽培するために必要な養分が、土の中にどのくらい残っているのかが分かります。作物を育てるには養分はもちろん必要ですが、少なすぎても多すぎてもよく育ってはくれません。そこで、栽培が終了した冬場に、土を最適な条件にするために分析を行い、その結果から肥料をどのくらい入れればよいのか、どのような管理をすればよいのかなど、次の年のレタス栽培に向けて準備が進められているのです!
その他にも、「化学肥料」や「農薬」を極力使用しないで済むような丈夫な畑を作るために、緑肥の「ソルゴー」をレタスの収穫後に栽培し、土にすき込みます。緑肥は、土壌中の微生物を活性化させたり、水はけや保水性をよくしたり、病害虫の多発を防ぐなどの効果があります。こんなところにも、都丸さんのレタス栽培への熱い想いを感じますね!!
野菜くらぶとのつながり
野菜くらぶ群馬のレタスの生産者の方は、都丸さんを含めて12名で構成されています。都丸さんは、その中で一番年齢が若いのですが代表生産者を務めています。
「都丸さんは、若いですが向上心がありとても勉強熱心。そして何よりレタス栽培への熱い想いは目を見張るものがあります!!」と語っていただいたのは、野菜くらぶ営業部部長の河原さん。野菜くらぶは、群馬県昭和村を拠点に、青森、静岡、岡山に圃場を持っています。最低月1回は、各圃場を巡回しているそうです。それに加えて、野菜くらぶ群馬のレタス部会の取りまとめ役も行っています。
「週1回は部会を開いて、それぞれの圃場で収穫したレタスの食べ比べを行っています。食味を行うと生産者から様々な意見が出て、栽培方法や品種選定などの情報共有の場にもなります!」と河原さん。都丸さんも「同じグループから品質が違うレタスが出荷されると大問題。このような部会を行うことにより、同じ品質のレタスをお客さまにお届けするよう努力しています!」と力強く話してくれました。
これからも、強力タッグを組んでおいしい野菜をお客さまに届けていただきたいですね!!
都丸さんからのメッセージ
都丸さんから、モスバーガーのお客さまに向けて一言いただきました。
「レタス栽培の醍醐味は、病気などの被害がなく、艶があり同じ大きさの玉やおいしいレタスが、畑一杯に一直線にきれいに並んでいる時です。また、そのようなレタスをモスのお客さまに食べていただくために、これからも愛情を込めてレタスを栽培します!」と語ってくれました。
また、都丸さんも「モスのファン」というお言葉をいただきました!
「菜摘シリーズを食べている時も幸せです!!」とうれしいお言葉!
こだわり抜いた栽培と愛情たっぷりの都丸さんのレタスを、ぜひ、モスバーガーのお店でご賞味ください!!
Text by Kitsunai