2016年5月
茨城県八千代町
八千代組合(グリーンリーフ)
山田 勝茂さん
産地だより 2016年5月
今回の産地だよりの取材は、茨城県の南西部に位置する八千代町に行ってきました。八千代町は、平坦で肥沃な土地と温暖な気候、首都近郊という立地条件を活かし、農業を基幹産業としています。
今回ご紹介する協力農家さんは八千代組合の山田さんです。(グリーンリーフ栽培をされています)
山田さんは、グリーンリーフの栽培以外に、レッドキャベツも栽培する、葉物栽培を専門とする生産者さんで、今年で12年目を迎えます。
それでは、山田さんが農業に携わったきっかけとグリーンリーフ栽培のこだわりについてレポートします。
農業に携わったきっかけは?
山田さんは、茨城県八千代町出身です。遠くに筑波山を望む田園地帯が広がる自然豊かな町で育ち、前職は会社勤めをしていたとのこと。
実家が農家であったこと、奥様が実家の農業を手伝っていたこと、そしてお父様の年齢のこともあり「自分が美味しい野菜作りをする時期がきた!!」と、思ったのがきっかけだそうです。
野菜本来のチカラを活かすため、経験と科学を取り入れて
作物が元気よく生育するには、自然の力が欠かせないそうです。
例えば、圃場の通路の雑草を取り除き、日射量を上げることは、害虫の発生を抑え、作物が順調に育つための手助けにもなります。
八千代組合では、収穫量が少なかった圃場や病気が発生した圃場は、「土壌分析」(作物を栽培するために必要な養分が、土の中にどれくらい入っているのかを調べる作業)を実施しています。
山田さんと八千代組合の管理担当の赤松さんは、「圃場の特性は、経験からわかっていますが、それだけではわかりません。土の中に含まれる養分が過剰なのか?足りないのか?を知ることが必要です。」と口を揃え話します。
見た目では判断できないことを、土壌分析による化学的な検知により、作物育成に役立てています。その結果、土の力を強化すれば、そこで生育される作物は、強く育ち、病気や虫害になりにくくなり、農薬散布や化学肥料の減少にもつながっているようです。
グリーンリーフ栽培で苦労したことは?
寒い時期のグリーンリーフ栽培は、トンネル栽培という栽培方法を取り入れています。
寒すぎると生育が進まず、出荷ができません。生育を進めるためには、トンネルを使用して、暖かい環境で育てなければなりません。
しかし、生育のために、日々の気温、天候を確認し、「換気」もしてあげなければなりません。寒い日はトンネルを閉めておき、暖かい日はトンネルを開けて、温度と湿度のバランスを調整する、細やかな作業、管理を行っています。
4月上旬になるとトンネル栽培のビニールを取り、栽培します。気温が上がり、生育はし易くなりますが、気が抜けないのが4月とのこと。遅霜が降りて葉が変色したり、雹が降ることもあり、葉に傷が付き、売り物にならなくなってしまうからだそうです。
また、収穫前には雨が降ると、グリーンリーフの中に入ってしまった落ち葉や木の実などが、掃っても取りきれないため、収穫に時間がかかってしまうそうです。そのため状況により、周りに木が少ない圃場に変更することもあるそうです。
グリーンリーフ栽培のこだわり(品種選定)
時期に合わせ、品種選定にもこだわっています。
この時期に栽培されている品種は、収穫適期が長い「ウォームグリーングラス」、厳冬期は寒さに強い「アーリーインパルス」という品種にしているとのこと。
ただし、どちらの品種も強み弱みがあり、天候状態が一つ違っても、思うように生育してくれないこともあり、季節・季候や病気など様々な視点で栽培方法や品種選定が必要になる難しさがあるようです。
グリーンリーフを栽培していて、うれしいときは?
山田さん曰く、「病気にならず育ち、収穫できたとき。そんな時は仕事も早く進むし、何よりも、達成感で気分が爽快になります。」とお話されていました。
山田さんからのメッセージ
山田さんにモスバーガーのお客さまに向けて一言いただきました。
「常に圃場の管理、作物の生育状況を確認し、安心、安全そして美味しさを第一に考え、間違いのない野菜を提供します。」
野菜本来の力で育った品質のよいものを意識して栽培していますので、是非、モスバーガーのお店でご賞味ください!!
Text by Iigusa