産地だより 2016年2月

2016年2月
熊本県玉名市
玉名ユートピア農業研究会(トマト)
坂本 真悟さん

今回の産地だよりは、熊本県玉名市で、トマトを栽培している玉名ユートピア農業研究会をレポートします。
玉名ユートピア農業研究会は、代表を務める福田 直行さんを筆頭に、5名の生産者さんでトマトを栽培し、モスバーガーのお店に出荷しています。
玉名ユートピア農業研究会の取り組みと、若手である坂本さんのトマト栽培にかける思いをご紹介したいと思います。

玉名ユートピア農業研究会とモスバーガーとの出会いとは?

玉名ユートピア農業研究会は、福田さんが肥料を販売する会社として、40年前に設立しました。当時、肥料と言えば、「有機肥料」と「化学肥料」の2種類でしたが、福田さんは、そのどちらでもない、「発酵肥料」を販売し、発酵肥料で栽培した、生産者さんのトマトを東京の市場に出荷していました。
モスバーガーとの出会いは、20年以上前まで遡ります。その頃、モスバーガーでは、新規産地の開拓をしていました。
新規産地開拓をきっかけに、モスバーガーのお店へトマトを供給することになったそうです。
福田さん曰く、「玉名市には、たくさんのトマト生産者さんがいらっしゃいますが、モスバーガーの考え方を理解し、モスバーガーのお客さまのために、美味しいトマトを出荷したいという、熱い思いを持ったトマト生産者を集めて、モスバーガーへのトマト出荷を始めました。」と、熱く語ってくれました。

玉名ユートピア農業研究会 福田代表

玉名ユートピア農業研究会 福田代表

玉名ユートピア農業研究会の取り組みとは?

玉名ユートピア農業研究会の福田さんは、定期的に生産者5名の圃場を巡回し、トマトの生育状況を確認、その場で、トマトの良し悪しを評価し、各生産者へ栽培指導および改善指導を行っています。
福田さん曰く、「各生産者には、栽培を改善する答は教えません。ヒントのみです。他人が言ったことは、直ぐに忘れてしまう。なぜならば、自らが考え、行動し、苦労したことは、記憶に残り、その経験が自分のものとなり、自己成長ができるからです。」と、話してくれました。
現在は、福田さんだけではなく、生産者5名が、それぞれ各生産者の圃場を巡回し、トマトの生育状況を生産者みんなで確認しあいながら、美味しいトマトを栽培するための情報交換をしています。

トマトの生育状況を評価する福田さん

トマトの生育状況を評価する福田さん

生産者みんなで、トマトの生育状況を評価

生産者みんなで、トマトの生育状況を評価

坂本さんとトマト栽培との出会いとは?

今回は、玉名ユートピア農業研究会の生産者である坂本さんに、トマト栽培との出会いを聞いてみました。
坂本さんのご実家は、祖父の代からトマト農家でした。物心ついた頃から、身近にトマトがあり、トマトと共に、成長したといっても過言ではありません。
坂本さんは、高校卒業後、憧れていたアパレルの仕事に就きましたが、お父さまの病気を機に、実家の農業を継ぐことになりました。
祖父の代から続くトマト農家を引き継ぐことは、並大抵のことではないことを、百も承知で、トマト農家を引き継いだそうです。そして、坂本さんのトマト栽培が始まるのです。

自宅裏に建てられた、坂本さんのトマトハウス

自宅裏に建てられた、坂本さんのトマトハウス

ハウス内にワラを敷き、地温を上げ、保湿、除草もしている

ハウス内にワラを敷き、地温を上げ、保湿、除草もしている

トマト栽培で苦労したことは?

坂本さんに、トマト栽培で苦労したことについて、聞いてみました。
「農作物は、天候により左右されます。今年の栽培方法が、来年も通用するとは限りません。毎年、栽培方法、管理方法は、異なります。例えば、乾燥して水不足になったり、雨天が続き、トマトの生育が思った通りにならなかったりと、天候の影響を大きく受けるからです。
また、実家の農家を引き継いだ当初は、作業に慣れないこともあり、作業がはかどらず、ハウス内に照明を点けて、夜遅くまで作業するのは日常茶飯事でした。」と、話してくれました。
現在は、自ら苦労し、経験したことで、トマトの栽培から、収穫、選果、箱詰め、そして集荷場の運搬までもこなしています。

収穫したトマトの選果、箱詰めをする坂本さん

収穫したトマトの選果、箱詰めをする坂本さん

集荷場にトマトを運ぶ坂本さん

集荷場にトマトを運ぶ坂本さん

トマト栽培にかける思いとは?

次に、トマト栽培にかける思いを坂本さんに聞いてみました。
「トマトは人と同じだと思います。“病気にならない、健康な体”それは、“瑞々しく、美味しいトマト”だと思います。
だからこそ、先輩方の圃場を視察し、栽培方法、管理方法に刺激を受け、今よりも良い栽培方法、管理方法を身に着けるため、去年よりも、今年、今年よりも来年と、現状を維持することなく、日々、反省して、自分自身に問いかけています。
その思いの先には、自分のトマトを召し上がっていただける、モスバーガーのお客さまがいるからこそ、前進しなければならないと思うのです。」と、トマト栽培にかける思いを話してくれました。

トマトの生育状況を確認する坂本さん

トマトの生育状況を確認する坂本さん

トマトの生育状況を説明する坂本さん

トマトの生育状況を説明する坂本さん

トマト栽培のこだわり

最後に、トマト栽培のこだわりについて、坂本さんに聞いてみました。
「トマトの生育には、太陽の光は重要です。冬の寒い時期は、日射量が少ないので、太陽の光が当たりやすいように、栽培方法を工夫しています。その工夫は、誘引ロープ、支柱を使用し、トマトの木を直立に立たせることで、太陽の光を葉全体に当たるようにしています。また、トマトハウス内の「温度管理」「湿度管理」にも、かなり気を遣います。なぜならば、「温度管理」「湿度管理」を怠ると、トマトが病気がちになり、美味しいトマトを栽培することができないからです。美味しいトマトを栽培するために、温度、湿度、二酸化酸素、照度を測定する機械を設置し、トマトが元気に育つ環境づくりをしています。」と、トマト栽培のこだわりについても、話してくれました。

直立に立ったトマトの木

直立に立ったトマトの木

温度、湿度、二酸化炭素、照度を計測する機械

温度、湿度、二酸化炭素、照度を計測する機械

収穫間近のトマト

収穫間近のトマト

坂本さんからのメッセージ

坂本さんにモスバーガーのお客さまに向けて一言頂きました。
「私が育った玉名市横島町は、干拓地で、海が近く、ミネラルが豊富なため、美味しいトマトを栽培するには最適な環境です。トマトを召し上がった方からは、“坂本さんのトマトは、切っても果肉が崩れず、完熟しても実がしっかりとしている”と好評をいただいております。モスバーガーをご利用されるお客さまに、一人でも多く、玉名のトマトを召し上がっていただきたいと思います!!」

玉名ユートピア農業研究会生産者の皆さま

玉名ユートピア農業研究会生産者の皆さま

Text by Osako