産地だより 2015年10月

2015年10月
秋田県鹿角市
JAかづのトマト生産部会(トマト)
斉藤 賢一さん

今回の産地だよりは、秋田県鹿角市での協力農家さんである、JAかづのトマト生産部会の斉藤さんの、トマト栽培にかける情熱をレポートします。
斉藤さんは、トマト栽培を始めて13年目となります。JAかづのトマト部会の中でも、若手であり、今後のJAかづのトマト部会を牽引する生産者さんでもあります。

トマト栽培に携わったきっかけは?

斉藤さんが、トマト栽培に携わったきっかけは、秋田県鹿角市がトマトの産地であったことが、きっかけだったそうです。
以前、斉藤さんは、秋田県にある農業試験場で、研究員のお手伝いをしていました。そこで、トマトを専攻して、栽培技術を学びました。
また、斉藤さんの実家は、代々農業を営んでおり、野菜を栽培する施設も整っていることも、大きな要因だったそうです。
トマト栽培に携わった斉藤さん曰く、「作物の中でも、栽培の難しいトマトは、やりがいがあります。」と、話してくれました。

大自然に囲まれた斉藤さんのトマトハウス

大自然に囲まれた斉藤さんのトマトハウス

トマト栽培の難しさを語る斉藤さん

トマト栽培の難しさを語る斉藤さん

トマト栽培にかける斉藤さんの思いとは?

斉藤さんは、トマト栽培に携わって13年になりますが、「トマト栽培は難しい。でも、自分が思った通りの樹が育つと嬉しい」と、話してくれました。また、「トマト栽培に携わってから、トマトの成長を日々管理し、育てることは、子供の成長と同じです。自分の子供と同じように大切に育てています。」と、トマト栽培に対する思いを話してくれました。
斉藤さんには、6歳の長女と、4歳の長男がいらっしゃいます。「自分の目には、トマトの成長が自分の子供の成長と同じに見え、嬉しくて仕方がないんだ」とおっしゃり、斉藤さんのトマト栽培への強い思いと愛情を実感しました。

トマトの生育状況を確認する斉藤さん

トマトの生育状況を確認する斉藤さん

収穫を待つトマト

収穫を待つトマト

トマト栽培で苦労したことは?

斉藤さんに、トマト栽培で苦労したことを聞いてみました。
「天候が急変した時の管理は大変です。ある程度までは、人間による管理はできますが、やはり、自然相手は大変です。土、樹勢の良し悪し、樹の太さ、葉の色を診断しながら、肥料の量、水の量を調整しなければなりません。この作業を1日でも怠ると、自分が納得できるトマトを栽培することができません。」と、苦労を話してくれました。
また、斉藤さんは、生産者仲間との人間関係についても話してくれました。
「以前は、内気な性格だったため、年齢の離れた生産者や、トマト以外の品目を栽培している生産者仲間と、なかなか打ち解けず、話かけられずにいました。それでは駄目だと思い、自分が納得のいくトマトを栽培する為に、年齢、品目の枠を超えた生産者仲間と交流をはかるようにしました。そうやって、色々な栽培技術の情報を得ることで、気持ちが解かれ、素直にトマトと向き合えるようになり、それまで理解できなかったことも、今では解るようになりました。」と、トマト栽培以外での苦労も話してくれました。

トマトの生育状況を説明する斉藤さん

トマトの生育状況を説明する斉藤さん

トマトの栽培方法その1

斉藤さんの栽培方法は、吊り下げ誘引と、トマトの肥大が良く、生育もスムーズな、Uターン栽培を導入しているそうです。
また、形の良いトマトを栽培するために、基肥(苗の定植時に施す肥料)をあまり入れず、1作目が終了した時点で、ハウスに藁を投入し、微生物(自然の生き物)の力で、土を疲れさせないようにしているそうです。
形の良い、大きなトマトを栽培するには、土の力も大切であると、斉藤さんの話を聞いて実感しました。

吊り下げ誘引による栽培方法

吊り下げ誘引による栽培方法

Uターンによる栽培方法

Uターンによる栽培方法

トマトの栽培方法その2

斉藤さんは、安定した収量、品質の良いトマトを栽培する為に、「潅水システム」を導入しています。
毎日、トマトの生育状況を確認し、トマトに最適な「水」、「液肥」の量と、それらをトマトに与える最適な時間を計算しながら、潅水システムで管理し、トマトに栄養を与えているそうです。
以前、斉藤さんは、50名いるトマト生産者の中で、収穫量1番になったことがあるそうです。トマト栽培に対し妥協を許さない、斉藤さんの栽培方法とトマトに対する強い愛情の結果であると感じました。

トマトに「水」、「液肥」を与える潅水システム

トマトに「水」、「液肥」を与える潅水システム

「水」、「液肥」の量を調整するコントロールパネル

「水」、「液肥」の量を調整するコントロールパネル

斉藤さんからのメッセージ

斉藤さんにモスバーガーのお客さまに向けて一言頂きました。
「秋田県鹿角市は、寒暖の差が大きく、収穫されるトマトは甘くて、ほど良い酸味があり、モスバーガーに、とても良く合うと思います。是非、私の思いがいっぱい詰まったトマトをモスバーガーのお店でお召し上がりください。」
斉藤さんの深い愛情で育てたトマトを是非、モスバーガーのお店でご賞味ください!!

斉藤さんとお子さん

斉藤さんとお子さん

Text by Osako