産地だより 2015年4月

2015年4月
茨城県八千代町 八千代組合(サニーレタス)
野口 学さん

今回の産地だよりは、茨城県八千代町での協力農家さんである、八千代組合の野口さんの、サニーレタス栽培にかける情熱をレポートします。
野口さんは、サニーレタスの栽培以外に、レタス、キャベツも栽培する、葉物栽培を専門とする生産者さんで、今年で8年目を迎えます。
それでは、野口さんの、農業に携わったきっかけ、サニーレタス栽培のこだわりについてレポートします。

農業に携わったきっかけは?

野口さんは、茨城県八千代町出身です。高校卒業後、車(トラック)が大好きだったため、トラックのボディーメーカーに就職しました。
その後、運送業に携わり、青果物の運送も行っていました。青果物を運送していると、青果物の品質や規格を見る機会が良くあり、実家が農家ということもあり、「自分でも美味しい野菜作りができるかもしれない!!」と、思ったそうです。
青果物の運送がきっかけで、野口さんの農業人生が始まるのです。

野口さんが栽培したサニーレタス

野口さんが栽培したサニーレタス

父からの教え!!

野口さんの実家は、農業を営んでいます。野口さんは、運送業を辞め、美味しい野菜作りの夢を持って、農業を始める決心覚悟をしました。
まったく農業に関する知識がない野口さんでしたが、「農業のいろは」を教えてくれたのは、父、真起さんでした。
農業を始めた頃、よく父から、「食べる人のことを考えて、種蒔きから収穫までの作業をしなさい。」と、常日頃、指導されたそうです。
また、父から言われたことは、「小さな子供と同じで、少しでも目を離したり、気を緩めたりすると、予想もしないようなことになる。」とも言われたそうです。
野口さん曰く、「勉強することは、8年経った今でもたくさんあります。父の教えを今でも守り続け、常に圃場の管理、作物の生育状況を確認し、安心、安全、そして美味しさを第一に考えています。」と、話してくれました。

父、真起さんと野口さん

父、真起さんと野口さん

サニーレタスの生育状況を確認する野口さん

サニーレタスの生育状況を確認する野口さん

土壌分析による地力強化!!

作物が元気よく生育するには、自然の力、「地力」が、かかせないそうです。
野口さんの圃場は、収穫が終わり、次の作付けを行う前に、必ず「土壌分析」(作物を栽培するために必要な養分が、土の中にどれくらい入っているのかを調べる作業)を実施しています。
野口さん曰く、「経験から、圃場の特性はわかっていますが、それだけでは十分ではなく、土の中に含まれる養分が、過剰なのか?足りないのか?を知ることが必要です。
それは、見た目では判断できません。ですから、土壌分析による、化学的な観点も踏まえて、土に含まれる養分バランスをうまくとってあげることが、土の力を強化することになるのです。」
結果、土の力を強化すれば、そこで生育される作物は、強く育ち、病気や虫害になりにくくなり、農薬散布や化学肥料の減少にもつながっているそうです。

次に作付けする圃場を確認する野口さん

次に作付けする圃場を確認する野口さん

サニーレタス栽培で苦労したことは?

サニーレタスは、リーフレタスに比べ、栽培に癖があるそうです。
それは、葉の特徴的な色です。色を付けるためには、日によく当てて、風を通してあげることが必要です。
この時期のサニーレタス栽培は、トンネル栽培という栽培方法を取り入れています。
寒すぎると生育が進まず、出荷ができません。生育を進めるためには、トンネルやハウスを使用して、暖かい環境で育てなければなりません。
しかし、色を付けるためには、日々の気温、天候を確認し、「換気」をしてあげなければなりません。寒い日は、トンネルを閉めたまま、暖かい日は、トンネルを開けて、こもった空気を入れ替えるといった、細目な作業、管理を毎日行っています。

トンネル栽培の圃場の写真

トンネル栽培の圃場の写真

換気をしているトンネルの写真

換気をしているトンネルの写真

サニーレタス栽培のこだわりその1

気温の上がらないこの時期は、品種選定にもこだわっています。
この時期に栽培されている品種は、「ロザンナ」という品種です。「ロザンナ」は、チップバーン(生育時のカルシウム不足により、葉の先が枯れたりする生理障害)の発生や、亀裂症状が少なく、厳寒期には最適な品種だそうです。
年ごとの、収穫量、生育状況、天候等の情報を仕入れて、今年の品種を選定しています。
特にこの時期の栽培は、厳寒期を越える時期でもあり、厳しい寒さによって、生育が鈍くなってしまいます。
そこで、生育の早い品種にすることが重要で、色(赤み)がしっかりとでることも、品種選びにかかせないそうです。

サニーレタスの色目を確認する野口さん

サニーレタスの色目を確認する野口さん

品種「ロザンナ」の特徴を説明する野口さん

品種「ロザンナ」の特徴を説明する野口さん

サニーレタス栽培のこだわりその2

野口さんは、サニーレタスの収穫に使用する道具にもこだわりがあります。
家庭用の包丁を作業が効率よくできるように、自分で研いで改良しています。
サニーレタスの軸は、普通の包丁では非常に切りにくく、スライドを繰り返すと切り口が荒くなって、空気に触れる面積が広がってしまい、劣化が進みやすくなってしまいます。
先端を研いだ包丁で、差し込むように軸を一気に切ることで、切り口が荒くならず、品質の維持にもつながります。
また、収穫時間も縮まり、出荷の時間も早くなるので、鮮度の良い状態で、お客さまのもとへお届けすることができます。

サニーレタスの軸の切り口

サニーレタスの軸の切り口

野口さんが研いだ収穫専用の包丁

野口さんが研いだ収穫専用の包丁

野口さんからのメッセージ

野口さんにモスバーガーのお客さまに向けて一言頂きました。
「モスバーガーさんの厳しい規格に合うように、品質管理、生育状況を確認しながら栽培しています。また、サニーレタスの栽培に携わってから、毎日のように、サニーレタスを食べています。気のせいか、病気になりづらくなりました。収穫時期は大変ですが、サニーレタスを召し上がっている、モスバーガーのお客さまを思い、自分自身を奮い立たせ、日々、頑張っています。私たちが栽培しきれないほど、モスバーガーのお客さまに、召し上がっていただけたら幸いです。」
野口さんの実直な愛情と情熱に満ち溢れたサニーレタスは今が旬です!!是非、モスバーガーのお店でご賞味ください!!

野口さん

野口さん

Text by Osako