産地だより 2015年2月

2015年2月
静岡県菊川市 野菜くらぶ静岡(ミニトマト)
農場長 村松 康弘さん

今回の産地だよりは、静岡県菊川市での協力農家さんである、野菜くらぶ静岡の村松さんの、ミニトマト栽培にかける愛情と情熱をレポートします。
以前、村松さんは、葉ねぎを栽培していました。葉ねぎ栽培は、自ら栽培技術を指導した後継者に任せ、現在はミニトマトのみを栽培する、ミニトマト一筋の生産者さんです。

ミニトマトを栽培するハウスは衛生的!!

村松さんのミニトマトを栽培するハウスで、最初に驚いたのは、ハウス入口に「エアシャワー」という機械を設置しています。それは、人がハウス内に入る前に、必ず実施しなければなりません。
「エアシャワー」の役目は、人に付着した虫をハウス内に入れないよう、空気のシャワーで、付着した虫を取り除き、ハウス内に虫を入れないようにすることです。
虫をハウス内に入れないことで、ミニトマトの栽培過程で、農薬の使用回数を減らすことに繋がります。
また、「エアシャワー」後、ハウス内では、「外履」から「サンダル」に履き替えることで、虫以外の異物もハウス内に入れないように、管理を徹底しています。

ハウス入口に掲示している注意書き

ハウス入口に掲示している注意書き

虫を防除する「エアシャワー」

虫を防除する「エアシャワー」

ミニトマトを栽培するハウスは効率的!!

徹底した管理以外に、ハウス内で栽培から出荷までを行うための、効率化を図っています。
ハウス内には、収穫後直ぐに、ミニトマトを選果する場所があり、その場所で出荷するためのパック詰めも行っています。もちろん、ハウス内は、ミニトマトを栽培する圃場エリア、選果場・パック詰めエリアと、カーテンによるエリア分けを徹底して、作業を行っています。
また、ハウス内で選果、パック詰めができることを利点に、ハウスの前でミニトマトの販売も行っています。
収穫後直ぐに販売できることは、鮮度、品質面でも最高の状態であり、採りたてのミニトマトを食べることができます。
ハウス前でのミニトマト販売は人気があり、直ぐに完売するそうです。

収穫し、選果したばかりのミニトマト

収穫し、選果したばかりのミニトマト

ハウスの前で販売するミニトマト

ハウスの前で販売するミニトマト

ミニトマト栽培にかける村松さんの思いとは?

村松さん曰く、「やればやるほど発見があります。毎回、同じように育たない、魅力ある農産物です。やりがいは無限、子供を育てるより難しいかも?」と微笑みながら話していました。
村松さんは、日々の発見を数値化して記録し、他の生産者さんへの指導内容として活用するために、「数値記録表」を導入しています。
「数値記録表」には、その日の天候、気温、湿度、そして地温を日々記録します。
また、「数値記録表」とは別に、生産者さん毎の収穫量、生育状況を記録しています。
村松さんは、「日々記録することは、ミニトマト栽培の技術を向上させ、次の栽培に大きく役立つ『道しるべ』となります。」「でも、最も大切なのは、数値化されたデータだけではなく、生産者が、ミニトマトを看ること(面倒をみること)、日々向かい合うことが一番大事だと思います。」と話していました。

『道しるべ』となる数値記録表

『道しるべ』となる数値記録表

生産者さん毎の収穫量、生育状況を記録する表

生産者さん毎の収穫量、生育状況を記録する表

ミニトマト栽培で苦労したことは?

村松さんは、ミニトマト栽培に携わって3年目を迎えます。
3年目を迎えた今でも、思うような栽培ができないと言います。「人間の都合では、ミニトマトは育たないからです。また、天候が悪いと良いものができません。」と、話していました。
村松さんは、美味しいミニトマトをお客さまにお届けするために、『道しるべ』となる「数値記録表」を日々記録、検証することで、色々な視点で、ミニトマトと向かい合いながら、美味しいミニトマトを栽培するための判断材料にもしているそうです。
村松さん曰く、「技術、知識を得るだけで苦労しています。だからこそ、日々の生育状況を観察し、技術と知識を貪欲に吸収しています。その結果、思考力、判断力が向上しました。」とのことです。
村松さんは、最後に、「一番大切なのは、ミニトマトの気持ちを理解することですが、でも、それが一番難しく、今も大変です。」とも、話してくれました。
日々、ミニトマトと向かい合う村松さんの愛情と情熱が、美味しいミニトマト栽培に活かされていることが、伝わってきました。

ミニトマトの生育状況を説明している村松さん

ミニトマトの生育状況を説明している村松さん

収穫前のミニトマトを食味

収穫前のミニトマトを食味

ミニトマト栽培のこだわりとは?

村松さんのミニトマトの栽培方法は、「隔離土耕」という、特異な栽培方法を行っています。
この方法は、ミニトマト栽培で難しいとされる、水分量の調整が管理しやすく、安定した収穫量が確保できるという特徴があります。
水分を与える時間は、光合成をする時間帯に水分を与えなければなりません。
また、季節により、太陽の高低差が異なり、光合成の時間帯も異なるため、時間帯をずらして行わなければなりません。
さらに、ミニトマト1本の木に対して、晴れの日と雨の日では、必要な水分が3倍近く異なるので、天候に応じて調整し、水分を与えています。
土の温度も大切です。土の温度は、水分を与え過ぎてしまうと、地温が下がってしまいます。
地温が15℃を下回ると、木が肥料成分を吸わなくなり、生育が遅くなってしまうそうです。
その水分量調整は、機械で管理していますが、このように天候、ハウス内の温度、湿度、そして地温を基に、水分量を調整し、木に水分を与えています。

隔離土耕によるミニトマト栽培

隔離土耕によるミニトマト栽培

土の温度を計る村松さん

土の温度を計る村松さん

水分量を調整する機械

水分量を調整する機械

村松さんからのメッセージ

村松さんにモスバーガーのお客さまに向けて一言いただきました。
「私自身も、モスバーガーを利用しています。お店の人の気配り、ほっとする、落ち着いた雰囲気、味や鮮度を大切にした商品・・・、そういったすばらしい価値を提供している中で、私たちが栽培しているミニトマトも、それらの価値に合致しなければならないと思っています。そして、モスバーガーのMOSの頭文字である、Mountain(山)、Ocean(海)、Sun(太陽)といった、モスバーガーでしか感じることのできない、自然との一体感を、私たちが栽培したミニトマトで味わっていただき、生きる喜び、生命の尊さを感じていただければ幸いです!!」
村松さんの愛情と情熱で育ったミニトマトは今が旬です!!是非、モスバーガーのお店でご賞味ください!!

村松さん

村松さん

Text by Osako