熊本県山都町 モスファーム熊本 山本 一秀さん
2013年4月3日に、モスと熊本県の農業生産法人株式会社うえなか、地元の個人農家との共同出資により、モスファーム熊本が設立されました。今月の産地だよりは、モスの自社系農場第2弾のモスファーム熊本をご紹介いたします。
10年~20年後の農業を見据えて
農家さんの高齢化と後継者不足。全国にひろがる多くの耕作放棄地、40%を下回る食糧自給率の問題など、日本の農業には様々な問題が山積しています。モスバーガーでは、こうした問題の解決に、生産現場のレベルから一緒に取り組んでいきたいと考え、価値観が一致し信頼のおける協力農家さんと共同出資で農場を立ち上げる自社系農場事業を始めました。
「食と農を通じて、人を幸せにする。」これがモスファーム熊本の基本理念です。
パートナーの選定
今回、農場を設立した熊本県はトマト生産量日本一(国内生産量の約13%)を誇るトマト王国、モスの協力農家さんの数は、18団体、400名を越えます。この中の誰と組んで生産法人を作るのか?というのは、大きな悩みでした。その中でアグリ担当者が注目したのが、「八代ひかり出荷組合」を運営する「株式会社うえなか」でした。ポイントは、土づくり、人づくり、ものづくり、へのこだわりです。○土づくりに最も良いとされる馬糞堆肥を使用
○次世代を担う若手農業者の育成に熱心
○農薬、化学肥料(窒素成分)の使用量が県の慣行栽培の5割以下
○いつ、どのような農薬、肥料を使用したかを記録する履歴管理を徹底
○適正な温度管理により、安定供給体制を維持
価値観、理念が一致する上中さんに、モスとの共同農場設立の話をしたところ、「是非やらせてください!」との熱い返事をくださり、モスファーム熊本の設立に向けて、本格的に動き出すことになったのです。
モスファーム熊本設立! 調印式へ
熊本県や八代市、山都町の心強い協力もあり、2013年4月3日、ついに、モスファーム熊本が設立されました。6月4日には、熊本県庁にて調印式も行いました。熊本県の蒲島知事立ち合いのもと、モスの櫻田社長、モスファーム熊本の社長に就任した上中さん、トマトハウスを建設する八代市の上野副市長、山都町の工藤町長の5者で調印を行いました。式当日は、モッさんとくまモンの夢の共演も実現しました。山都農場 収穫開始
モスファーム熊本の初年度は、標高500m地帯の熊本県山都町に7~11月の生産をメインとした山都農場(約50アール)。海に面した干拓地に広がる八代平野に、12~6月の生産をメインとした八代農場(約50アール) の2ヵ所を建設します。先行する山都農場では、8月から少量ながらも出荷を開始しました。今夏の猛暑は、トマトの生育には十分な環境とは言い切れませんでしたが、ハウス内のファンを回して温度を下げたり、トマトの不要な葉っぱをこまめに取り除いて風通しを良くするなど、様々な対策を行い、順調に出荷をスタートすることが出来ました。
地域との共生
山都農場を設立した山都町では、「モスの農場が出来るらしい…」という噂が地域に広まっていく中で、歓迎する声もあると共に、様々な不安の声が聞こえてきました。こうした中で、モスファーム熊本のスタッフがとった解決策は、「対話」でした。地域の草刈り作業、住民との懇親会や夏祭りに積極的に参加するなど、地域住民の皆さんとの対話、交流を深める事で、少しずつお互いに理解しあえる関係を築く事が出来てきました。
今後は、地元からの雇用、耕作放棄地の解消など、様々な部分での地域貢献をしていきたいと考えています。
山本農場長からのメッセージ
最後に農場長の山本さんから一言頂きました。「モスバーガーの名を冠する農場の運営をお任せいただいた事は、大きな喜びとともに、ご期待応えられるかどうか?という不安もあります。必ずや、お客さまに感動していただけるようなトマトを作り上げたいと思います。」
モスファーム熊本のトマトは、関東や九州のモスバーガーのお店に出荷されます。是非その味をお店で確かめて下さい!
Text by Yagi