日本人の味覚を重視したメイド・イン・ジャパンバーガー
徹底して日本人の味覚に合うようにつくられたハンバーガーとオリジナルのミートソース。
こだわって、試作を重ねた先に完成した「モスバーガー」の誕生秘話をご紹介いたします。
日本人の味覚を重視したメイド・イン・ジャパンバーガー
徹底して日本人の味覚に合うようにつくられたハンバーガーとオリジナルのミートソース。
こだわって、試作を重ねた先に完成した「モスバーガー」の誕生秘話をご紹介いたします。
1972年。今では信じられない言葉ですが、当時はまだハンバーガーが日本に浸透していなかった時代。「ハンバーガーのパティをつくってほしい」と持ちかける創業者の故・櫻田慧(以下櫻田)に対し、食品会社はどこも「ハンバーガーって、何ですか?」と、答えたそうです。
櫻田にはひとつのイメージがあったといいます。それはアメリカで感銘を受けた「トミーズ」という店のハンバーガー。「この味を日本人の味覚に合うよう、もっとおいしくつくることはできないだろうか」と考え、食品会社を訪ね歩いていました。しかしどこも反応は薄く、「そんな得体の知れないものはつくれない」「実績のないところとは手を組めない」と、門前払いされてばかりだったとか。
そんな中、ついに手を差しのべる食品会社があらわれました。「私が目標とするハンバーガーを食べに、一緒にアメリカに行っていただけませんか?」と切り出す櫻田。その唐突な依頼を受け入れ、共にロサンゼルス郊外にある「トミーズ」へと渡米しました。
渡米先では、ハンバーガーを買い込み、パティとソースの分析に取りかかることにしました。
実家が料亭を営み、味にはうるさいと自負する櫻田ですら調味料の微妙な配合まではわかりませんでした。しかし、食品会社のスタッフはさすが食のプロ。鍛えられた舌だけを頼りに、たちまち香辛料の配合や塩加減を見極めていったそうです。
日本に帰国後は、その情報を頼りに試作品をつくる日々。「パティは日本人に親しまれているハンバーグをベースにしてはどうか」「もっと味に奥行きを出した方がいい」と、徹底して日本人の味覚に合うハンバーガーづくりにこだわり続けました。
ミートソースは、「コク味」に重点をおき、フォンドボーなどを使って味のベースづくりからスタート。それでもなかなか納得できず、試作を重ねた末にたどりついたのは、なんと鶏ガラと豚骨のスープ。さらにコクとまろやかさを出すため、炒め玉ねぎ、バター、乳製品、赤ワインなどを加えました。そして最後は独自にブレンドしたスパイスで調整。日本人の味覚に合うようにさらに進化を遂げた、オリジナルのミートソースが完成したのです(※)。
モスバーガーが誕生するまでには、試作から約180日もの月日が過ぎていました。
モスの中でも、いちばん手のかかるモスバーガー。
手順が多い上に、技術とスピードが要求されるので、簡単には作れません。だからこそスタッフは、こころを込めて、ていねいに作っています。