産地だより 2015年5月

2015年5月
千葉県山武市 さんぶ野菜ネットワーク(レタス)
生産者 槍木 康直さん

今回の産地だよりは、千葉県山武市での協力農家さんである、さんぶ野菜ネットワークの槍木さんの、レタス栽培にかける情熱をレポートします。
槍木さんは、20年前、千葉県山武市で初めてレタスの栽培に取り組んだ生産者さんです。

さんぶ野菜ネットワークの取組みとは?

さんぶ野菜ネットワークは、千葉県のほぼ中央に位置する山武市を中心に、年間80品目以上に及ぶ様々な野菜を生産しています。
「山武のこだわり野菜」をスローガンに、豊かな土作りに取り組み、安心でおいしい作物を栽培しています。
その取り組みを具現化するために、さんぶ野菜ネットワークには、5つの原則があります。
それは、「土壌消毒剤、除草剤を使用しない」「化学肥料を使わず、堆肥、緑肥作物による土作りを重視する」「特定の品目に偏らない作付けをし、輪作体系を重視する」「取り組む耕地を明確に特定し、登録する」「いのちに直結した食べ物を供給することを常に意識し、消費者と顔の見える関係作りを目指す」です。
それら5つの原則により、「山武のこだわり野菜」が作られています。

選果施設を備えた、さんぶ野菜ネットワークさんの社屋

選果施設を備えた、さんぶ野菜ネットワークさんの社屋

さんぶ野菜ネットワークの組合員さん

さんぶ野菜ネットワークの組合員さん

レタス栽培との出会い

槍木さんの実家は、農業を営んでおり、里芋、人参等、年間15品目ぐらいの野菜を栽培しています。
槍木さんのレタス栽培は、20年前、モスバーガーで使用する野菜の産地開発が、きっかけでした。
それにより、今まで栽培したことのなかった、レタスの栽培に取り組むこととなったそうです。
その当時、千葉県山武市では、レタスを栽培する生産者さんはいませんでした。
その環境の中で、レタス栽培に取り組むことは、何もかも自分ひとりで挑まなければならない状況でした。
ですが幸いにも、一緒にレタス栽培をする仲間が5名ほどいたことも、心の支えとなり、使命感をもって栽培に取り組むきっかけとなったそうです。

槍木さんのレタス圃場

槍木さんのレタス圃場

レタス栽培で苦労したことは?

槍木さん自身、レタスが大好きで、自分が食べて美味しいと思えるレタス作りが、栽培に活かされています。
レタス栽培に挑んだ1年目は、ほとんどが収穫できる状況ではなかったそうです。
山武市は西瓜の栽培が有名で、この時期のレタス栽培と同様に、トンネル栽培(畝をビニールなどでトンネル状に覆って作物を栽培する方法)を実施しています。
しかし、レタス栽培と比較して、西瓜栽培は、トンネル内の温度、湿度の細目な換気作業を必要としなかったので、同じようにレタスを栽培したところ、トンネル内が蒸しこんで、レタスが傷んだり、病気になったりしてしまいました。
その失敗を糧に、トンネル内の温度と湿度のバランスを管理するために、換気を細目に実施し、結果、槍木さんが「美味しい!!」と思えるレタス栽培に活かされたそうです。

トンネル栽培で栽培されているレタス

トンネル栽培で栽培されているレタス

トンネル内の温度を計測する、槍木さん

トンネル内の温度を計測する、槍木さん

レタス栽培のこだわりその1

レタス栽培は、トンネル内の温度、湿度管理だけではなく、肥料設計にも注意しています。
定植(レタスの苗を苗床から移して、田畑に本式に植えること)時期に応じた、肥料の管理は重要だそうです。
1月の早い時期の定植は、窒素(主に植物を大きく成長させる作用がある)を多めにし、2月、3月の定植は、窒素を控えめにしています。
なぜならば、低温時の1月は、地温が低く、苗が肥料を吸いづらいので、窒素を多めにして成長させなければならないからです。
1月の定植と比較して、2月、3月は、地温も徐々に上がるので、窒素を控えめにします。
窒素を多めにしてしまうと、窒素過多となり、病気になりやすくなってしまうそうです。

レタス栽培のこだわりを説明する槍木さん

レタス栽培のこだわりを説明する槍木さん

5月中旬に収穫されるレタス

5月中旬に収穫されるレタス

レタス栽培のこだわりその2

次に、レタスの生育を促進するために、輪作を行っています。
輪作とは、特定の品目に偏らない作付けをすることです。
同じ種類の野菜を同じ畑で連作すると、特定の病気や害虫が多発し、その畑では作物が作れなくなってしまいます。
さんぶ野菜ネットワークでは、葉物、果菜類、豆類、麦類、芋類、緑肥作物等を組み合わせて、生育障害回避に努めています。
そのこだわりが、「山武のこだわり野菜」なのです。

レタスの生育状況を確認する槍木さん

レタスの生育状況を確認する槍木さん

レタス栽培のこだわりを説明する槍木さん

レタス栽培のこだわりを説明する槍木さん

槍木さんからのメッセージ

槍木さんにモスバーガーのお客さまに向けて一言頂きました。
「レタスの栽培を始めて約20年になりますが、レタス栽培に関しては、まだまだ勉強することがたくさんあります。その苦労は、モスバーガーのお店をご利用するお客さまに、美味しい、また食べたいと、言っていただけることを糧にして、日々、レタスと向き合っています。」と話してくれました。
槍木さんの愛情と情熱で栽培したレタスは今が旬です!!是非、モスバーガーのお店でご賞味ください!!

槍木さん

槍木さん

Text by Osako