産地だより 2014年11月

2014年11月
茨城県八千代町 八千代組合(レタス)
増山 泰英さん

八千代町は茨城県結城郡にある町であり、茨城県の西部に位置する町です。
鬼怒川中流西岸の町であり、メロン、ハクサイ、ナシなどの大産地で生鮮野菜を首都圏へ供給しています。
また、八千代町には滞在型の市民農園、クラインガルテン八千代があります。
今回は八千代町でレタスを栽培する八千代組合さんを訪問し、産地さんの管理体制、品種、栽培方法から出荷までの履歴確認などを確認する産地監査と、レタス栽培に情熱を燃やす増山 泰英さんをレポートします。

八千代組合さんの管理体制とは?

モスバーガー本部は産地さんと、安心、安全で美味しい野菜をお店にお届けし、お客さまに召し上がっていただくために産地監査を実施しています。
監査項目は約50項目ほどあり、最初の項目では産地さんの経営理念について確認します。八千代組合さんの経営理念は「安心安全な野菜作り、土にやさしい環境、やさしいエコ農業」です。それは野菜作りのみならず、地球環境に配慮した環境保全型農業への取組みです。
特に土作りにはこだわりがあり、土壌消毒は実施せず緑肥などを取り入れた土作りを行っているそうです。
監査項目は、組織構成から土壌管理、履歴管理、衛生管理、施設管理など多岐にわたり、すべての項目を産地さんと産地担当者が確認し合います。
だからこそ、安心で、安全で、美味しい野菜をお店にお届けすることができるのです。

産地監査実施

産地監査実施

季節に応じたレタス品種の選定とは?

増山さんのレタス栽培は、春は冬を超えての栽培になるため、寒さに強い品種から栽培を始めるそうです。その品種は「クールガイ」という品種です。
また、秋は猛暑を超えての品種になるため、暑さに強い品種へとつなげていくそうです。
その品種は「グリーンパワー」という品種です。
どちらの品種も苗定植後、35日から40日後に収穫できるそうです。
ちなみに「クールガイ」という品種は寒さに対する抵抗性が強く、肥大性、伸長性にすぐれ低温期でも結球が安定し、玉ぞろいがよく効率的な収穫が可能だそうです。
また、この時期に収穫する「グリーンパワー」という品種は、逆に暑さに対する抵抗性が強く、高温期でも結球が安定し、「クールガイ」同様に肥大性、玉ぞろい、安定した生育により効率的な収穫が可能だそうです。
品質は葉が薄く、シャキシャキした食感と甘味が特徴だそうです。
余談ですが、「クールガイ」と「グリーンパワー」の両方の特性を兼ね備えているのは「シニア」という品種だそうです。

レタス圃場

レタス圃場

レタスの収穫時期を事務局に報告

レタスの収穫時期を事務局に報告

レタスの美味しさは朝採り!!

レタス品種の次は、美味しいレタスについて増山さんに聞いてみました。
増山さん曰く「レタスの美味しさは朝採り!!」、日の出と同時に収穫するとのことです。収穫は、早い時で朝の5時から始めるそうです。朝採りのメリットは収穫時間にあります。朝は温度が低く、収穫後のレタスそのものの温度が上がらず、鮮度を高く美味しい状態が維持できるのだそうです。その結果、瑞々しさ、シャキシャキ感、歯ごたえが良く甘味が増すそうです。レタスの美味しさは収穫時間にあり!!
逆に温度が上がる昼間の収穫は、陽射しによりレタス自体の温度が上がり、葉からの水分蒸発量が多くなり、しんなりとして瑞々しさがなくなってしまうそうです。
もちろん、収穫後のレタスは集荷場にて直ぐに冷蔵保管され、保管温度、そして輸送時の温度も5℃から7℃の間で設定しているそうです。
品種選定のみならず、選定した品種の良さをもっと引き出すための工夫と細心の配慮をもってレタスを取り扱う姿勢は流石です!!

レタスを保管する冷蔵庫

レタスを保管する冷蔵庫

トラックの荷台に積まれたレタス

トラックの荷台に積まれたレタス

父から継承したレタス栽培のノウハウとは?

増山さんのレタス栽培のノウハウは、父である喬史さん(現八千代組合代表取締役)から継承したとのことです。増山さんにお父さんから継承したノウハウを3つほど伺いました。

①「土作りが一番大切である。」
まず、土壌診断を実施し、使用する堆肥が土に必要か不必要かを判断し、適正な使用量を算出して堆肥の量を決めます。
それにより、安定した収穫量を確保でき、「色」「形」「大きさ」そして「甘味」を引き出すことができるそうです。(私たちも、毎回生産者さんに栽培方法などのお話を聞きますが、そのたびごとに、本当に農業は科学であると実感します!!)

②「定植したら毎日進捗状況を確認する。」
それは、定植後の苗の生育状況やレタスの収穫時期の確認、その過程での「虫害」「病気」の早期発見、特に病気に対する予防策を早く打つことができるので、苗をきれいな状態で育てることができ、順調に計画通りの収穫量を確保することができるそうです。

③「圃場管理を徹底する。」
圃場管理とは、圃場まわりの雑草処理、農機具や集荷箱などの整理整頓をし、きれいな状態を維持することであり、結果、圃場が清潔になり、「害虫が寄ってこない」「消毒をする必要性がない」そして「見た目もきれいで良い」、つまりレタスを育てるための最高の環境を得ることができるのだそうです。
また、季節により栽培方法が異なります。春は、トンネル栽培(野菜などを早く作るために、畝ごとにビニール、ポリエチレンなどでトンネル状におおい、寒さ、霜などを防ぐ栽培方法)を行うそうです。この時期の茨城県は、とても強い西風が吹き、せっかくかけたトンネルが飛ばされてしまうそうです。そのため、毎日圃場に行き、飛ばされてないかを確認しています。
秋は、露地栽培になるためマルチを敷き、地温を上げすぎないようにしているそうです。
なぜならば、地温が上がりすぎると「根腐れ」を引き起こし、外葉が生育せず、結球も肥大せずに小さくなってしまうからとのことです。

増山さんと父喬史さん

増山さんと父喬史さん

圃場まわりの雑草処理をしている増山さん

圃場まわりの雑草処理をしている増山さん

レタス栽培のポイントとは?

増山さんにレタス栽培のポイントについて聞いてみました。
増山さん曰く、「レタスは非常にデリケートな作物で、ちょっとした土壌の変化や、気象の変化で大きく品質が左右される。」とのことです。
その中でも、土は重要で、レタス作りには欠かせないポイントだそうです。
ポイントは、収穫を終えた圃場の手入れだそうです。圃場の手入れを行い、いつも健康な状態を維持し、次の栽培につなげるそうです。
土が健康でないと、レタスも元気に大きくなってはくれないそうです。
八千代組合さんでは、環境の安全にも心掛け、「エコファーマー」に認定され、また、圃場においても「JGAP」(農場管理、団体管理の基準であり、その認証制度)認証を取得し、徹底した管理を行っているそうです。

収穫したばかりのレタス

収穫したばかりのレタス

増山さんの栽培したレタス

増山さんの栽培したレタス

増山さんからのメッセージ

増山さんにモスバーガーのお客さまに向けて一言頂きました。
「美味しいレタスにとって一番良いことは何か?を常に考えて栽培を行っています。特に土作りには力を入れて、化学肥料をなるべく使用せず、堆肥や有機質肥料を中心に施肥を行い、レタスが元気に育つように心掛けています。私が栽培したレタスが、モスバーガーのお客さまに美味しく召し上がっていただければ光栄です。」
子供を育てるような愛情で、レタスを育てている増山さんのレタスは今が旬です!!
是非、モスバーガーのお店で愛情たっぷりのレタスをご賞味ください!!

増山さん

増山さん

Text by Osako